個別指導で名古屋市・豊田市・蟹江町を中心に学習塾を展開する個別指導のキューブ・個別指導塾ピックアップ
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中部大学教授 CUBE特別顧問
深谷圭助先生
多くの学校で行われているのが「一斉教授」です。
これは、教師と子どもが向き合い、子供の机が教師の立つ教卓、黒板に向けて置かれていて、教師の説明「を聴き、教師の書く板書、あるいは電子黒板を見つめながら、ノートに書く、挙手して教師の発問に応えるというスタイルが「一斉教授」です。
このスタイルは、一人の教師が複数の子供たちに教える場合、もっとも効率的な教え方として、150年以上、日本の学校で採用されてきました。
この一斉教授のスタイルは、教師の仕事の効率化と言う意味において、つまり、一定の時間内に多くの子供を教えると言う意味においては有効です。
しかしながら、一斉指導は、個別最適な指導であるわけではありません。
そこで、教師は、「学級経営」という概念を作り出し、一人ひとりの子供の実態を把握し、「一人ひとりの子供の特性を生かした学びの場づくり」をするようになったのです。
日本では、授業の形態として一斉指導を維持しつつ、学級経営によって「個別最適化」の観点を入れようとしてきたわけです。
欧米の進歩的な指導観においては、「学習主体は子供」であり、教師が教えることは生徒の主体性を損なう行為だと考えられています。
学習内容や学習方法を生徒が選択できるように教師は準備をし、教師は、子供の相談相手となること、エンパワメント(励まし)をすること、適切にエバリュエーション(価値づけ)、アセスメント(目標に対する評価)をすることなどの役割を担います。
個別最適化をすすめるということは、一斉指導から脱却し、徹底的に学習主体を子供とすることを徹底するということです。
ICT教育の進展により、こうした理想的な教育像が具体的に見え始めています。
その一方で、「個別最適化」と共に「協働的な学び」が求められるようになってきています。
「個別最適化」とは相容れないような印象を与える「協働的な学び」というフレーズなのですが、どのように両者を関連付けたらよいのでしょうか。
多くの人は、「個別最適化」された学びをしていけば「学力」はつくし、受験でも役立つのでは?と思うのではないでしょうか。
「協働的な学び」がなぜ求められるのか考えてみましょう。次号ではこの点について述べたいと思います。
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