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中部大学教授 CUBE特別顧問
深谷圭助先生
みなさんは、「首筋(くびすじ)」ってどこのことかわかりますか?
以下の3つから選んでみてください。
「首筋」は、「首の後の部分」のことです。「えりくび」「えりあし」「うなじ」と同じ部分を示します。
なお、「襟(えり)」というのは、「衣服の首の回りにあたる部分」という意味もありますが、「首の後ろの部分」「首の髪と皮膚の境目の部分」という意味もあります。
人によっては、「首筋」は「耳の後ろの辺りから肩にかけての筋肉の部分」と理解している人もいるようですが、国語辞典で調べてみると、首の後ろ部分となっています。言葉の意味は、人によって解釈の幅が広いことがわかりますね。
私たちの身の回りには、何となく認識するようになった「言葉」がたくさんあります。
学校で、教科書などで学ぶ言葉というのは、ごく一部です。
多くの場合、人は言葉をなんとなく認識していて、その認識は、曖昧なのです。
さて、日本語では、特に「首の後ろの部分」の呼び方には多様な言葉が充てられています。
ここで、「襟が厚い」「襟につく」「襟を正す」という慣用句に注目してみましょう。
例えば、「襟が厚い」というのは「裕福である」という慣用表現なのですが、「裕福な人は重ね着をするので、重ね着の結果として襟が厚くなる」ということからこの慣用句が生まれたとされています。
「首の後ろ」に関わる言葉が多いということの背景には、日本人独自の「視線」があるということなのでしょう。
本人の目につかない首の後ろ(首筋)は、多くを物語るということなのでしょう。
ちなみに、英語では、首筋にあたる部分を、neck(首筋)と言い、関連する単語としては、 nape(えりあし)、 shoulder(肩) throat(前首)、 Adam’s apple(のどぼとけ)などがあります。
外国の言葉と日本の言葉と言葉の意味の範囲が重ならないことがあります。
外国語に翻訳することの難しさはまさにそこにあります。
私たちが何気なく使っている言葉には、実は、なんとなく独りよがりに解釈してしまっている言葉がたくさんあります。
身の回りの言葉をあえて調べてみると、さまざまな発見があります。辞書を引くのは面倒、あるいはスマホで調べることすらおっくうと思うかもしれませんがぜひ、あえて、身近な言葉に真正面から迫ってみてください。
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