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中部大学教授 CUBE特別顧問
深谷圭助先生
AIは、社会の様々な仕組みを変えています。
働き方、物事の考え方にも大きな影響を与えています。AIの教育や芸術に対する影響を考えることで、これからの教育のあるべき姿を考えてみましょう。
教育現場にAIを活用するというアイディアは、生成人工知能であるChatGPTが2022年以降、社会に普及するようになって、急速に広がりつつあります。
ところが、こうしたAIを子供が用いることにより、これまでの評価の仕方が大きく変わる可能性があり、現場の先生方は混乱しています。
生成AIの学校現場での活用で、いかに適切な「指示(プロンプト)」を入力するかということが議論になっているようです。
確かにそういうことも大切な視点ではありますが、アートをめぐる人工知能の議論で以下のような議論があるので紹介しておきたいと思います。
2022年以降、生成AIサービスが登場し、音楽、映像、文章、アートなど様々な分野でAIMによる表現物が日常的に生成されるようになってきています。
模倣することはアートなのでしょうか?
模倣することはアートなのかという議論は、随分長い歴史を経ています。
AIの得意なのはこれまでのネットの情報を抽出・整理し、生成することです。
それは、オリジナリティや創造性を大切にするアートと相反するのではなでしょうか。
現在の生成AIサービスによる生成物の多くが、過去の表現を「それらしく再現」したものになってしまい、それまでにあったAIと創造を巡る豊かな議論が矮小化されつつあるとも思えます。
新しいものを生み出すためにAIを用いる。
そのために注目するのは「ノイズ」なのではないでしょうか。
アートにおいても、教育においても、作品で、授業で、新しいものを生み出そうとすることは核心的に重要なことです。
そう考えると、これまで私たちが、ノイズとして捉えてきた、間違った目的とは外れた情報に積極的な意味を持つようになります。
つまり、間違った、指示を与えた時に、どのような対応をAIができるのか、人間は間違った指示や間違った情報に対してどのように対応してできるのかを考えることに価値を見出すのです。
従来、目標―評価のプロセスからすると「ノイズ」と思われていた、間違った指示や間違った情報にむしろ価値を見出すことになるのです。
そうすると、AIと創造めぐる議論が豊かになるのではないかと思うのです。
教室においても、間違いや授業目的から外れる発言を、ノイズとして捉えてきたのですが、ノイズと思われる発言に積極的な意味を持たせるように授業運営をする教師が名教師、良い授業であるとする価値観がありました。
間違っている情報の意味、表面的には非効率になるアプローチはノイズであったわけですが、AIの登場でもっと、物事を豊かに考え、多様な正解、多様な幸せを求めていく場合、ノイズが積極的な意味を持つようになると考えられます。
そういう、ノイズの価値について、アートの世界ては教育に先駆けて、生成AIとの向き合い方を通して考えています。
これは、AIと教育を考える上で、重要な示唆を与えてくれるのではないかと思っています。
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