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中部大学教授 CUBE特別顧問
深谷圭助先生
1.はじめに
かの、「機動戦士ガンダム」有名なアニメーターの富野由悠季さんが、落合陽一さんのYouTube番組で、科学に対する「ギモン」を語っていました。
冨野さんは、何でもかんでもスマホで自由に調べられるようになって便利になったが、利口になった人間がどれだけいます?と述べておられました。
簡単に調べられるようになり、知識などは苦労して覚えなくてもよいのだという時代になったものの、ちっとも人々は賢くなったような気配はないということから、科学へのギモンを冨野さんは訴えているのです。
2.人の知能発達の対する人工知能導入のメリット
AIなどの情報技術の進展で人は賢くなったのかという問いに対しては、未だその結論はでていませんが、「人工知能の適切な使用は、人間の認知的パフォーマンスを高めることがある」という言説も存在します。その具体的な認知的パフォーマンスの例を挙げてみたいと思います。
生成AIは大量の情報を瞬時に分析・整理できるため、人間はより創造的・戦略的思考に集中できる。例えば、生成AI(ChatGPTなど)を使って複雑なアイデアを構築することで、論理的思考力や批判的思考力が鍛えられる場合がある。
教育AIツール(例:AIチューター、語学学習アプリなど)によって、個人の弱点に特化した学習が可能となる。
3.人の知能発達に対する人工知能導入のデメリット
その一方で、「人工知能の使用によって、人間の知能は深刻なダメージを受ける可能性がある」という言説も存在します。過度または受動的なAI依存は、逆に人間の知的能力を劣化させるリスクがあるというのです。
自分で考えずにAIにすぐ頼る癖がつくと、推論力・計算力・記憶力が鍛えられない。
これは「認知的怠惰(cognitive laziness)」とも呼ばれ、特に若年層で懸念されています。
AIによる「即時応答」に慣れると、待つ力・深く考える力が育たなくなります。
マルチタスク(様々なタスクを同時併行的に進めること)の促進により、IQテストにおける注意力に関するスコアの低下も報告されています。
4.おわりに
能動的かつクリティカルにAIを活用する場合、AIが、人間の知能の構成要素(言語、論理、空間認知など)が刺激する可能性があります。
その一方で、受動的・依存的にAIを使うと、知的能力の一部が衰える可能性もあります。
AIとどう付き合うのか、当面の私たちの課題です。
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