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中部大学教授 CUBE特別顧問
深谷圭助先生
私の勤務する大学の卒業研究発表会で、興味深い発表をした学生Fくんがいました。
Fくんは、「新聞記事における女性の警察官を表す語彙について」という研究テーマを設定していました。
彼は、研究において女性警察官を示す語である「婦人警官」という言葉に着目しました。
実際に研究対象とした語は「警察官」「婦人警察官」「婦警さん」でした。
「東京新聞・中日新聞記事データベース」で記事を対象としてこれらの語を検索してみると興味深いことが分かってきました。
それは、「婦警さん」とよく一緒に使われる「共起表現」として「お手柄」という表現が挙げられるということでした。
この調査結果から、Fくんは、「婦警さんお手柄」という表現そのものが、女性を「見下した」表現なのではないかと考察をしていました。
つまり、「アイドルとしての婦警さん」であり、婦警さんのようなか弱き存在が、男勝りに警察官としての仕事をしている「意外性」、即ち、事件解決を婦警がするという「意外性」を示す表現だというのです。
昭和の頃、女性を蔑視する考え方が、何の疑問ももたれず新聞記事の言葉遣いとして通用していました。
このことを示す一端が、「婦警」と共によく用いられる共起表現として「お手柄」という言葉が用いられていた事実により明らかになったというのです。
今の時代、こうした差別的な表現に対する社会の見方は大きく変わってきているとは思いますが、未だに日常の中の言葉の使い方に差別的な表現が織り込まれているのかもしれません。
このように、「ことば」に対する関心が高くなると、「言葉」がどのような言葉と共に使われているかが気になるようになります。
その表現を「共起表現」と言うのですが、その共起表現に注目することで、その「言葉」がどのような、言語社会的な背景をもつ言葉なのかがわかります。
面白いですね。
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