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この時期、中学1年生が頭を悩ませがちなのが、数学の「扇形」に関する問題……みんな必死になって弧の長さや面積の公式を頭に叩き込んでいることかと思います。
さて、ここで一度、その公式をおさらいしておきましょう。半径をr、中心核をa、弧の長さをl、面積をSとすると——
l=2πr×a/360
S=πr2×a/360
さて、多くの中1がここで疑問符を浮かべるのは、「a/360って何???」ということだと思います。(あるいは、そういったことは考えず、とにかく暗記した人もいるかもしれません)
「a/360」とは果たして何のことなのか——この理屈を知っておくと、扇形の問題が少しだけ楽になります。
例えば、ここに半径6の円があるとします。この円の円周と面積は、
円周:2πr=2π×6=12π
面積:πr2=π×62=36π
ここまでは大丈夫ですよね? (ここを忘れていたら、今一度しっかり覚えなおしておきましょう!)
さて、では次は半径6、中心角120°の扇形について考えてみましょう。
言うまでもなく、完全な円の中心角は360°です。ここで大事になるのが、この扇形の中心角がその完全な円の何倍(何分の何)になっているかを把握する、ということです。これは小学3年生の「何倍でしょう」や小学5年生の「割合」の単元でやりましたね!
120÷360=120/360=1/3
つまり、120°という角度は、360°の1/3倍ということになります。
そして、ここがポイントです。
「中心角が1/3倍なら、弧の長さや面積も元の円の1/3倍になる」
つまり、中心角の大きさと弧の長さや面積の大きさは、比例関係にあるのです。
このことから、半径6、中心角120°の扇形の弧の長さや面積を求めると、
弧の長さ:12π×1/3=4π
面積:36π×1/3=12π
ということになります。これは、公式通りにやったときと同じ答えになるはずです。
ちなみに、これは逆についても同じことが言えます。
どういうことかというと、
「面積(弧の長さ)が1/3なら、中心角や弧の長さ(面積)も1/3」
ということです。例えば、
・半径5cm、面積10cm2の扇形の中心角を求めよ
→半径5cmの円があるとしたら、面積は25cm2になるはず
→今は10cm2しかないので、面積が10/25=2/5になっている
→この扇形は、円の2/5を切り取ったものである
→よって、中心角も円の2/5になっているので、360°×2/5=144°
といった形で応用できます。上のような扇形の弧の長さや面積から中心角を求める問題について、公式通りにやると少しややこしいと思う方は、この方法を応用するといいかもしれません。
ちなみに、弧の長さと半径から面積を求めるには、「面積=弧の長さ×半径÷2」という便利な公式があるので、併せて覚えておきましょう!
(更に、これを応用すると、面積から弧の長さを求めるには「弧の長さ=面積×2÷半径」という計算をすればよいのですが、これも必要があれば覚えておくといいかもしれません)
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