『カタカナ語大百科』の本の監修をしていて気づいたこと

中部大学教授　CUBE特別顧問

深谷圭助先生

今や、日本語には、多くの「カタカナ語」が占めています。
文化庁は、カタカナ語の内、よく認知され（認知率）、理解され（理解率）、使用されている（使用率）「カタカナ語」のランキングを示しています。

第1位「ストレス」　認知率97.4％、理解率92.6％、使用率90.6％
第2位「リサイクル」認知率97.1％、理解率91.1％、使用率87.2％
第3位「ボランティア」認知率97.2％、理解率90.8％、使用率86.2％
第4位「レクリエーション」認知率94.9％、理解率87.7％、使用率80.8％
第5位「テーマ」認知率96.8％、理解率88.2％、使用率80.1％
第6位「サンプル」認知率96.0％、理解率87.5％、使用率78.7％
第7位「リフレッシュ」認知率92.2％、理解率81.5％、使用率76.6％
第8位「インターネット」認知率96.2％、理解率78.3％、使用率74.2％
第9位「ピーク」認知率89.7％、理解率77.4％、使用率71.6％
第10位「スタッフ」認知率93.4％、理解率83.4％、使用率70.9％
第11位「キャンペーン」認知率95.8％、理解率82.2％、使用率69.9％
第12位「リーダーシップ」認知率94.2％、理解率85.1％、使用率68.8％
第14位「ホームページ」認知率93.8％、理解率82.6％、使用率67.3％
第15位「フルタイム」認知率90.7％、理解率82.7％、使用率67.1％
第16位「コスト」認知率88.6％、理解率74.8％、使用率66.4％
第17位「ケア」認知率90.7％、理解率75.6％、使用率65.1％

文化庁「カタカナ語の認知率・理解率・使用率【使用率順】」より引用
https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/tokeichosa/kokugo_yoronchosa/h14/katakana_shiyo.html（2023年5月20日閲覧）

使用率順の上位を並べてみたのであるが、現代において重要と思われる語が並んでいることが分かる。

例えば、現代が「ストレス」社会であること。誰もが「ストレス」を抱えながら生活していること。

「リサイクル」をほとんどの日本人が意識をして生活をしていること。

「ボランティア」が社会において重要な活動になってきていること。

仕事以外の余暇の過ごし方として「レクリエーション」が重要になっていること。

「ストレス」社会を反映して「リフレッシュ」が社会における重要な機能であることば認知されていること。

「インターネット」が社会の中に定着してきていること。

これらのカタカナ語は、現代の日本を表す言葉であると同時に、実はこれらの言葉はすべて「外来語」であることに改めて驚かされる。

グローバル社会の進行が、こうした社会的な問題を生み出し、それらの問題に対応する言葉も「カタカナ語」として日本語に定着しつつあると言うことなのである。

「カタカナ語」の使用実態を知ることは日本がいかにグローバル社会に組み込まれているのかを知ることになるのである。

Tweet