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深谷圭助先生のコラム6~お弁当のはなし~

「お弁当のはなし」

中部大学教授 CUBE特別顧問

深谷圭助先生

 

英国の知人にお土産を買っていく際、いつも悩むのがお土産選びです。

しかし、今回の英国訪問ではすんなり決まりました。

今回のお土産は「スープジャー」です。

「スープジャー」とはスープを保温するお弁当の容器のことです。

英国の知人は、妻のためのお弁当を毎日用意しています。

英国滞在中の朝、知人がお弁当を作っているところを観察するのですが、実に簡素なお弁当なのです。

でも、そのお弁当が実に味気ないのです。

そこで今回のお土産として「スープジャー」を選びました。

スープやシチューを入れれば、お昼に温かいまま食べられると考えたからです。

ところで、「お弁当」というのは、英語でa lunch(ランチ)、あるいは、a packed lunchといいます。

「お弁当箱」はa lunch box(ランチ ボックス)といいます。

日本では、「昼食」のことを「ランチ」といいますが、英語には、日本語でいうところの「弁当」という言葉はないようなのです。

また、日本の「弁当」は、必ずしも昼食として食べるわけでもないのです。

「弁当」という言葉、そのものも実は不思議な言葉です。

「弁」も「当」も「昼食」を想起する言葉ではありません。

なぜ、ごはんやおかずを容器に詰め込んだものを「弁当」と呼ぶのでしょうか。

「弁」にも「当」にも「食べ物」「ごはん」「食器」という意味はないのです。

そこで、国語辞典で調べてみました。

すると興味深いことが分かりました。

「弁当」は、元々、「便道」と書き、「便利なこと」「重宝なこと「都合がよいこと」という意味を表す言葉だったということです。

これが転じて、「外出先で食事をするために器物に入れて持ち歩く食物」「外出先に持ち歩くの便利な食物」のことを「便道」と言うようになったようなのです。

この「便道」が「便当」「弁当」と表記されるようになったのです。

なお、「便道」という言葉が使われるようになったのは室町時代、「弁当」という漢字を充てるようになったのは江戸時代のことです。

最近では、日本のみならず海外でもA lunch box(ランチボックス)と呼ばずに、“BENTO”という言葉を用いるようになっています。

これは日本語が「国際語」として認められた一例といってよいでしょう。

私たちが何気なく使っている言葉ですが、外国語ではどう言うのか、なぜそのような漢字表記をするのか、いつからその言葉が使われるようになったのかを考えたり、辞書で調べたりしてみることは面白いと思いませんか。

そんなとき、辞書はとても役に立ちます。


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