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深谷圭助先生のコラム~イギリスの作文指導から学ぶ~

今回より、個別指導のCUBEの特別顧問をしていただいていおります

中部大学教授で辞書引き学習法の提唱者

「深谷圭助」先生のコラムを掲載してまいります。

非常に教育に関してためになるお話が出てくると思いますので、お楽しみください。

では早速参りましょう!

 

「イギリスの作文指導から学ぶ」

日本語で使う文字には、漢字のような「表意文字」の他に、「ひらがな」や「かたかな」といった、「表音文字」があります。「ひらがな」を読んだり書いたりできるようになれば、「話すように書く」ことができます。こうした機能をもつ文字はとても便利です。

これに比べて、英語などは、アルファベット(a,b,c,…)を読んだり書いたりできたとしても、話すように書くことはできません。例えば、英語で、「アップル」と言えるからといって、”apple“とは書けません。英語は、スペリングができなければ、書くことはできないのです。”apple”のスペリングは覚えていないと書けないのです。

実は、日本では、早い段階で「ひらがなを」読み書きできるようにします。そのため、小学校1年生のかなり早い段階から、作文を書くことができます。その結果として、「話すように書けばよい」と皆思っているわけです。実はそこに大きな落とし穴があります。話すように書けといいますが、話すことがなければ書くきっかけを持てないということです。

私は、辞書引き学習指導をするために、イギリスの西部の州ウスターシャーにある小学校に長年通っています。私はイギリスの国語教育に対して興味深く感じていることがあります。それは、話し言葉をより洗練したものにするために、書き言葉、作文指導を丁寧にしていることです。

イギリスでは、英語の性質上、早々に作文を書かせることはできません。その代わり、スペリングの指導とともに、文法の指導や論理的な構成で文章を書く習慣をきちんと指導します。例えば、「なぜ(Why)」と聞かれたら、「なぜなら(Because)」で答えること、「どのようにして(How)」と聞かれたら、「…をすることによって(By doing)」と答えるということが徹底されています。授業で先生は、「なぜ」「どのようにして」という言葉をよく使って子供に問いかけます。それに呼応して子どもたちは、「なぜなら」「…をすることによって」と答えることがよく身に付いているのです。こうしたことは、文章を書くときにも徹底しています。イギリス人は、「なぜ」と「どのようにして」を大切にした教育をしていて、イギリスの子どもたちは、身の回りのできごとを「なぜ」「どのように」という視点で見つめています。だから、常に探究的で、Year3-4(小学校中学年)くらいの子どもでも、文章も発言も実に論理的なのです。

日本の作文指導では、「あった出来事をありのままに書く」ように子どもに求めます。ところがイギリスの作文指導では、「ものごとの因果関係を書く」ように子どもに求めるのです。日本では、「何でもいいから、ありのままに書いてごらん」と指導し、作文の最後は決まって「楽しかったです」で終わります。イギリスの場合、「なぜ楽しかったのか」を精密に説明することを求めるのです。ですから、結論の後に、どれだけ、筋道立ててその理由を説明できるかが重視されるのです。

イギリスの子どもたちに対する作文指導は、日本のように「何でもいいから書いてみましょう」とか「何でもいいから発言しましょう」とは決して言いません。教育において、「何でもいいはずはない」と考えているからに他なりません。作文指導は、論理的に分かりやすく自分の意思や意見を文章や発言で示すためにあるという確固たる信念があるからなのです。


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